物語のつづきへようこそ

絵本『ICAN 希望の花の物語』を読んでくださったあなたへ
平和な世界をつくる物語は、いまもつづいています
もくじ
あなたも主人公

これは、おとぎ話ではありません。ほんとうにあったことをもとにした物語です。 1945年、大きな世界戦争の終わりに、原子爆弾がつくられました。核反応の爆風と衝撃、熱と放射線によって、一瞬で何万人もの人々の命をうばい、その後も長く心身を傷つけ、苦しませることで犠牲者が十数万人にもおよぶ、おそろしい武器です。戦争が終わったあとも、一部の国々は、この核兵器を開発するための競争をやめませんでした。世界中で7万発以上の核兵器がつくられ、21世紀になったいまも、1万発以上がのこされています。 これに対し、平和な世界をつくろうと声をあげる人々がいました。その努力が実をむすんで、2017年に画期的な世界のとりきめである「核兵器禁止条約」が誕生します。人が人として幸せに生きることをおびやかす核兵器は、つくることも持つことも使うこともけっしてあってはならないという強い思いが、形になったものです。この条約の成立に力を尽くしてきた人々の集まり、国際キャンペーンの名前がInternational Campaign to Abolish Nuclear Weapons、通称ICANです。ICANは、核兵器をなくすための貢献をみとめられて、ノーベル平和賞を受賞しました。 1945年8月6日、原子爆弾を落とされた日本の広島には、当時16歳の少年だった田頭数蔵さんがいました。戦後はじめてばらの花に出会い、その美しさに感動した田頭さんは、「焼け野原を花でいっぱいにしたい」とばら園をひらきます。2017年、このばら園で生まれた新しいばらは、平和への願いをこめて「ICAN」と名づけられました。キャンペーンの国際事務局があるスイスほか、ICANの活動を支援してきた恵泉女学園や多摩市など各地におくられ、そのメッセージを伝えています。 2026年現在、世界の約半数にのぼる95の国と地域が核兵器禁止条約に署名し、75の国・地域が批准しています。これまで不可能な夢と思われてきた戦争のない世界、だれもが幸せに生きる未来への共感が、現実を動かしているのです。 ICANに出会ったわたしたちは、花に託された願いをひろげたくて、この絵本をつくりました。あなたも主人公になって、できることがあります。最初の一歩を、いっしょにはじめませんか。あなたの大切な夢と、平和な未来を、かなえるために。
この絵本によせて
川崎哲(ICAN 国際運営委員)
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広島の被爆者である田頭数蔵さんがICAN という名前の新種のバラをつくられたというお話を聞いたのは、2019年1月のことでした。ICAN (核兵器廃絶国際キャンペーン)が2017年にノーベル平和賞を受賞とに心をうごかされ、このバラを命名されたとのことでした。
わたしはこのお話をすぐにICAN の国際運営グループに報告しました。世界中のメンバーが口々に「うれしい」と言って、この命名は大歓迎されました。
その後広島にごあいさつに行ったとき、田頭さんは被爆体験を話してくださいました。多くの死体が重なりあうなかを歩き、助けを求められたが応えられなかったことが「いまでも忘れられない」と言っておられました。あまりにもつらい体験で、長い間ご家族にも話されてこなかったそうです。
田頭さんは、被爆したときの「罹災証明書」をICAN にくださいました。被爆者としての証ともいえる小さな茶色く焼けた紙は、バラの写真とともに額に入って、いまスイスのICAN の事務所にかざられています。これに対してICAN の当時の事務局長が田頭さんに送ったのが、上の手紙です。
田頭さんは2024年9月に95歳で亡くなりました。しかし田頭さんのバラは、その思いとともにひろがっています。
核兵器のない世界の実現をめざして、ICAN は、世界中で今日も活動しています。
日本では「核兵器をなくす日本キャンペーン」が2024年4月に発足しました。一日も早く、日本が核兵器禁止条約に加わるよう呼びかけています。
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希望をはこぶ植物の力
鈴木雅和(筑波大学名誉教授・被爆樹木研究者)

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2009 年に広島の縮景園で被爆イチョウに出会って以来、被爆樹木の研究をしています。
被爆樹木とは、原子爆弾の爆風と熱線を浴びて傷つきながらも、戦後にふたたび芽吹いた木々です。その姿が人を勇気づけ、平和と希望の象徴となりました。種や2 世の苗木も世界中にひろがり、大切にされています。
原種・野生のバラは約100 種です。それらが世界の育種家たちによって交配され、3 万をこえる品種が生まれています。その名前には、さまざまな思いがこめられています。原爆とバラ、どちらも人間が生み出したものです。少年時代に原爆を体験し、育種家となった田頭数蔵んは、あたらしいバラに平和への希望を託したのでしょう。
植物には、人間にうったえかける力があります。そのメッセージをうけとめるためには、想像力が必要です。わたしがはじめて見たICAN は、ロゼッタ咲きでやわらかいピンク色でした。
みなさんもぜひ、ICAN と被爆樹木に会いにいってください。
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ICAN に出会える場所へ
ばらのICAN は下記の場所で購入・見学が可能です
開花時期などをご確認のうえ、おでかけください

ICAN ほか、四季折々の草花を見ることができます。植物の相談受付、各種講座も開催
所在地:東京都多摩市落合2-35
開館時間 :9:30 ~17:00(月曜・年末年 始定休)
あなたにできること
自分で調べて考える
いま世界で起こっていることについて、メディアで情報を集めて調べ、見くらべる。実際に見聞きして感じたことを大切に、自分の考えを持つ
現地を訪ねる
被爆地や資料館などに出かけて、これまで調べたことや想像をたしかなものにする。旅先での新たな発見や出会いも、次のステップに
テーマを共有する
気になることを友だちと話題にする。相手の意見も大切に、「共感すること」と「ちがうこと」を話し合う
イベントに参加する
講演会や映画会、学習会などに行って交流したり、自分で企画したりする。デモやスタンディングに参加するときは安全や周囲にも配慮して
すきな形で表現する
文章、絵、音楽、ダンス、動画など、自分がとりくみやすい形で自由に表す。発信するときは責任をもって
声を届けてひろげる
政府や自治体に意見を送る。自分の考えと近い目標をかかげて活動する人や団体を応援する。実現したいことへの署名を集めて手わたす
この絵本のことを家族や友だちに話してみませんか
この絵本の収益は「核兵器をなくす日本キャンペーン」に寄付されます。
ICAN のメッセージが一冊でも多く、一人でも多くの人にとどくように、あなたの力をおかしください
いますぐできること

あなたの一歩が、物語のつづきをつくり、未来を変えていきます







